周りのサポートが大切である

高齢者の介抱することは簡単なことではない。食事の介助や排泄、おむつの交換、着替えなど、体力を必要とすることばかりである。また、認知症を患った高齢者を介護する際には、精神的にも気苦労を感じることが少なくない。認知症のせいでつらい当たられ方をされやすく、それが精神的にこたえてしまうのだ。真面目な人や責任感の強い人ほど、介護が原因でうつになりやすい。朝、昼、晩と常に見守っていなければならず、しかもいつ終わるかもわからない不安感などから、うつに陥ってしまうのである。うつになってしまうと、そもそも他人との交流が減ってしまうことも問題だ。その結果、うつや引きこもりの状態に陥り、周りのサポートが受けられなくなってしまうことが考えられるのだ。

うつになってしまうと、何もかも一人で考え込んでしまいがちになり、それが孤独感に繋がり、ますますうつに、そして引きこもりがちになってしまうのである。うつ状態になると、さまざまな精神的および肉体的な弊害が起こる。夜中に何度も目覚めてしまうという睡眠障害や、食欲が極端に落ち込んでしまうという食欲不振の症状などが見られるようになる。また、うつになってしまった人の心理としては、ただ介護で疲れているだけとか体調が少し良くないだけだと安易な自己診断をしてしまい、病院にかかることを遠ざけてしまう傾向があるので厄介だ。こうしたうつの状態から救うためには、周りがいち早くこうした変化に気付いて、手を差し伸べることが肝心だ。